星雲大師にお会いして
小走りで、促されるままに通された部屋に入ると、正面奥で星雲大師様が此方を向いて我々大和教会訪問メンバーを迎えていただいた。いきなりだったので、まるで夢の如きであった。
今回、星雲大師様の特別な御取計らいで、佛光祖庭参拝ツアーが企画され、また参加出来ました事に本当に感謝いたします。
大師様はお話の中で、「12歳で出家して、台湾へ渡って60年、様々な出来事があったが、あっという間であった。そんな激動の時代にあっても共産党は私だけは大目に観てくれたよ」と・・・
大師様のお姿を前にして直に体験談をお聞きしていると、今までの苦労がどんなにか大変であったか伝わってくる。しかし、それを苦労と考えない大師様の偉大さの方がもっと強く感じられた。
滴水坊も本土に根付きつつあり、中国で、近い将来人間佛教が広まる事を切望いたします。
最後に、大師様からお小遣いまで頂いて、嬉しい反面恐縮した。
確かお小遣いを頂いた記憶は30年前の小学生位までであったろうか?今でも大切に持っています。
大師様が幼少の時、民衆の暮らしが困窮している中で、お菓子を頂いたら皆に分け与え、飼い犬にもあげたいと眼を腫らしてお泣きになったと言うエピソードを読んだことがあるが、大師様の心広いお気持ちに触れました。
後日、棲霞山寺を訪問し、副住職様が、大師様の出家された時代は赤貧洗うがごとしで、食事も満足に無く、ましてや本やノートは言うまでも無く、手紙を出すにも切手が無かったとお話された。
「無情と有情、無理と有利」の辛さを身をもって味わわれたのだなと・・・
その後、志開上人にお参りして我々一行は寺院を後にした。
今回の旅で、大師様にお会いし、足跡を辿り、佛光山をまた少し理解できました。
これを期に、益々佛教理解を深め、大和協会会長の基、大和協会、いや、日本に佛光山の人間佛教の素晴らしさを広め、何時か日本から出家信者が出ることを望んでやみません。
<佛光世紀14号>