2007年8月30日木曜日

伊香保本山予定地の自然観察会報告


2005年7 月31 日、伊香保の本山予定地に約20 名の会員が参加し、自然観察会が開催されました。
当日は天候にも恵まれ、すがすがしい空気の中で約1 時間半予定地を散策し、植物を中心とした自然観察を行いましたので、今回はその自然観察内容をお知らせいたします。
観察された植物は木、草、シダ植物などを合わせて約120 種類余りでした。主なものとして、クリ、オニグルミ、コナラ、アカマツ、フジ、サンショウ、マタタビ、ノブドウ、ノイバラ、ヤマブキ、ヤマノイモ、フキ、ウド、ススキ、ヨモギ、ワラビ等や、ビールの原料となるホップ(カラハナソウ)、戦時中下仁田町で衣服の原料として採集していたアカソ、ニュージーランドで中国産のものがキウイフルーツに改良されたサルナシ、かつて和紙を作る際の糊として用いられたノリウツギ等の生育も見られました(和紙の原料となるコウゾは今回確認されませんでした)。
また、ミズキ、クマシデ、アブラチャン等の木が花や実をつけていて、タマアジサイも丸い玉を葉の上に出し、開花の準備をしていました。キイチゴ類もあり、ナワシロイチゴの赤く熟した実を採って食べることもできました。「秋」になると紫色の可憐な実をつけるムラサキシキブや赤い実のなるガマズミ、紅葉が美しいイタヤカエデやヌルデ、そして実を採って食べることのできるオニグルミやマタタビ、サルナシ、ノブドウ等が私達を楽しませてくれるでし
ょう。「春」にはエイザンスミレ、タチツボスミレ等のスミレ類が林床に紫色の花をつけ、ヤマブキやヤマザクラ、コナラ、ヤマハンノキ等の花も咲き誇ります。フキやワラビ、ウド等の
山菜を採ることもできます。
このように本山予定地は、私達に四季折々の自然の産物を楽しませてくれる場所です。
「薬草」としては、ブームとなったアマチャヅルの他、アオツヅラフジ(リウマチ、鎮痛)、イタドリ(便秘、蕁麻疹)、イノコズチ(利尿、強壮)、オトギリソウ(切り傷)、オニグルミ(強壮)、キンミズヒキ(下痢)、ゲンノショウコ(下痢)、スイカズラ(熱、口内炎)、ニワトコ(発汗、利尿)、ヌルデ(下痢、咳)、フジ(緩下剤、胃がん)、ヘクソカズラ(しもやけ、あかぎれ)、マタタビ(冷え性、むくみ)、ヤマノイモ(滋養強壮)、ヨモギ(肩こり、止血)等がありました。本山予定地には恐らく「400 種類位の植物が生育している」と思われますので、今後観察会を続けていくにつれ、更に色々な薬草や食べられる山野草がでてくることが期待されます。何れにしましても、自然の記録を定期的にとると共に会員相互の親睦を深めて、「山野草の食事会」等の企画へと広がることは素晴らしいことだと思います。会員の中には「きのこ」に詳しい方もおられるようですので、今後も様々な催しを継続して行っていくことができればと思っています。
<佛光世紀5号>